学院長室だより

 5月末に、普通部全員で、横浜美術館のワークショップに参加してきました。学院から大型バスで美術館へ出発!ワークショップの「五感で感じるプログラム」は、粘土、水袋・お湯袋、絵の具でベタベタ、暗闇の中で光と音を楽しむ、といった内容で、設定された中で、自由に、絵の具を段ボール紙に塗りたくったり、粘土に恐る恐る手を伸ばしたり、水とお湯の温度の違いを全身で感じたり、フワフワクッションでゆったりしたりと、それぞれの時間を過ごしました。
 見えない、見えにくいと、触ることが上手で触って事物を理解するということが当たり前のように思われがちですが、何があるのかわからないからこそ、手をのばして触ることを躊躇ったり、怖いと感じたりすることも多いものです。日々の教育活動を積み重ねていく中で、物に触ること、触ると分かるという実感を育んでいきたいと思います。

 先日、昨年度の高等部専攻科生活科の卒業生の保護者の方から、ヘラルボニー株式会社(ビジネスとして障がい者アートを発信している企業)主催の「ART PRIZE 2025展覧会」に出展した作品が展示されるとの嬉しいご報告をいただきました。65の国と地域から出展された2,650点の中から、ファイナリストの65作品の一点に選考されたとのことで、展覧会をみてきました。卒業生の作品は、作家名:Syun、タイトル:エスカレーター5景で、会場の一角に展示されていました。好きで楽しみながら取り組んでいる絵画を多くの方が見てくださること、どんなに誇らしいことかとSyunさんの活躍をとても嬉しく思います。

Syun 「エスカレーター5景」

展覧会は、6月14日まで、三井住友銀行東館1階アース・ガーデンにて開催されています。

6月5日
横浜訓盲学院 学院長  星 祐子