学院長室だより

 この季節は、新緑が一斉に萌え、その輝きと美しさに、なんとも言いようのない安らぎを感じ、力が湧いてくるような気がします。
 学院では、各グループ・部で育てている野菜がすくすくと育っています。子どもたちは、ピーマン、きゅうり、ジャガイモなどを収穫し、採れたての野菜を使って調理をしたり、家庭に持ち帰って、食卓の一品になったりしています。
 先日は、高等部専攻科生活科の生徒たちが、収穫したジャガイモを家庭科の時間にフライドポテトにしました。私もいただいたのですが、ジャガイモの味が口いっぱいに広がるおいしさでした。お裾分けをいただいた小学部のある児童は、一口食べて、ニコニコ顔で、「おいしい」の手話、また一口食べて、「おいしい」の手話、食べては、「おいしい」の手話の繰り返しで、本当においしいのね、とその気持ちを共有しながら、「おいしい」を伝えてくれる様子に周りも笑顔になりました。
 ことばは、心が揺さぶられ、この気持ちを伝えたいといった思いに裏づけられて、音声、手話、サイン、表情など、一人ひとりの獲得してきた方法で表出します。心揺さぶるような実体験を大事に、人とかかわる力、コミュニケーションの力を育んでいきたいと思います。

6月18日
横浜訓盲学院 学院長  星 祐子